横浜やまて耳鼻咽喉科

JR山手駅より徒歩分の耳鼻咽喉科・頭頸部外科

耳鼻咽喉科専門医監修
耳・鼻・喉のQ&A

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当院における治療方法などを
耳鼻科専門医の院長が解説します。

秋に鼻がむずむずするのはなぜ?花粉症・ハウスダストアレルギー・寒暖差アレルギーの違いを解説

鼻のお悩み
2025.11.10

秋になると鼻がむずむずして、くしゃみや鼻水が止まらない…。それは秋花粉やアレルギー性鼻炎のサインかもしれません。
春のスギ花粉の時期が過ぎても、秋特有のアレルギー症状に悩まされる方は少なくありません。
実は、秋にも花粉やハウスダスト、さらには気温差による刺激など、鼻に影響を与える要因が数多く存在します。
この記事では、秋に起こりやすい鼻のむずむずの原因と、それぞれの特徴、治療や予防方法について詳しく解説します。

秋になると鼻がむずむずする主な原因

秋の鼻の不調には、以下のものが関連していることが多いです。

  1. 秋の花粉によるアレルギー性鼻炎
  2. ハウスダストやダニによる通年性アレルギー性鼻炎
  3. 血管運動性鼻炎(寒暖差アレルギー)

これらはいずれも鼻の粘膜が刺激を受けることで発症しますが、原因物質や発症の仕組みが異なります。

秋の花粉症で涙や鼻水を流す女性のイラスト

秋花粉(ブタクサ・ヨモギ・カナムグラ)による花粉症の特徴

秋にも多くの花粉が飛散していることをご存じでしょうか。代表的な秋の花粉にはブタクサ、ヨモギ、カナムグラなどがあります。これらは8月から10月にかけて多く飛散し、特にブタクサは都市部の空き地や河川敷など身近な場所にも多く自生しています。
秋の花粉は粒子が小さく、鼻の奥まで入り込みやすいため、くしゃみや鼻水、鼻づまり、目や喉のかゆみなどの症状が長引く傾向があります。
春の花粉症(スギ・ヒノキ)と違い、飛散範囲が狭いものの、局所的に花粉の空気中濃度が高くなることがあります。

そのため、朝夕の外出や換気のタイミングによって症状が強く出る方もいます。

 

ハウスダストアレルギーによるアレルギーについて

秋は気温が下がる一方で、夏の間に増えたダニの死骸やフンが室内に残りやすく、ハウスダストアレルギーが悪化しやすい季節でもあります。
ハウスダストは、ダニやカビ、繊維くず、ペットの毛などの微細なチリの集合体で、吸い込むことで鼻粘膜が刺激され、アレルギー反応を引き起こします。多くの場合はダニ(ヤケヒョウヒダニ・コナヒョウヒダニ)がメインとなっています。
特に朝起きたときや寝る前などにくしゃみや鼻水が出やすい方は、寝具やカーペットなどにアレルギーの原因物質が潜んでいる可能性があります。

予防のためには、定期的な掃除と換気が重要です。寝具を週1回以上洗濯し、天日干しを行うこと、掃除機はHEPAフィルター付きのものを使用すること、エアコンフィルターをこまめに掃除することが効果的です。湿度を50%以下に保つことも、ダニの繁殖を防ぐうえで大切です。また、寝具を抗ダニ用のものに変えることでも効果がでることがあります。

 

血管運動性鼻炎(寒暖差アレルギー)の症状と治療

血管運動性鼻炎は、直接的なアレルギー反応によるものではなく、気温差や気圧変化、匂いなどの刺激で鼻の粘膜が過敏に反応することで起こります。
朝晩の寒暖差が大きくなる秋は、鼻の血管が急に拡張・収縮を繰り返すことで鼻水やくしゃみが出やすくなります。
このタイプの鼻炎はアレルギー検査では原因物質が見つからないのが特徴です。

治療には抗コリン薬やステロイド点鼻薬などの局所治療が有効で、症状の程度に応じて内服薬を併用します。生活面では、マスクやマフラーを着用し、冷たい空気を直接吸い込まないようにすることが予防につながります。暖かい生理食塩水での鼻洗浄も効果があります。

 

鼻の症状が長引くときの注意点

鼻のむずむずや鼻水などの症状を放置すると、慢性鼻炎や副鼻腔炎(蓄膿症)に進行する場合があります。
特に、鼻水が黄色や緑色になった、頭痛や顔の痛みがある、鼻づまりが続いて口呼吸になるといった症状がある場合は、早めの受診が必要です。
アレルギー性鼻炎の治療を適切に行うことで、こうした合併症を予防することができます。

 

横浜やまて耳鼻咽喉科でのアレルギー性鼻炎の診断・治療

当院では、アレルギー性鼻炎の原因を正確に特定し、患者さま一人ひとりに合った治療を行っています。
主な検査には、血液検査によるアレルゲン特定、副鼻腔炎などを鑑別するための鼻腔ファイバー検査などがあります。
血液検査によるアレルギー検査について、特に親御さんから「できるだけ数多くの食物を検査してほしい」と言われることがあります。しかしこれは不必要に食物を避けてしまったりすることがあるため、現在は推奨されていません。

本当に症状があるもののみを検査することが重要であり、当院でもそうしております。

治療は、抗ヒスタミン薬や抗ロイコトリエン薬などの内服薬、ステロイド点鼻薬などの局所治療を中心に行います。
また、スギやダニが原因の場合には舌下免疫療法も行っており、根本的な根治治療を目指すことが可能です。

さらに、生活指導として、花粉やハウスダストの回避方法、マスクの使用、睡眠・食生活の改善など、日常的にできる対策についても丁寧にアドバイスいたします。

 

【よくある質問】

Q1. 秋の花粉症はいつまで?

A. 一般的には8月下旬から11月上旬まで花粉の飛散が続く地域が多いですが、年によって変動します。

Q2. 血管運動性鼻炎は治りますか?

A. 完全に治すことは難しいものの、薬や生活改善によりコントロールすることが可能です。

Q3. 舌下免疫療法は秋の花粉にも効果がありますか?

A. 現在はスギ花粉とダニが対象ですが、将来的に秋花粉への応用も期待されています。

Q4. アレルギー検査は子どもでも受けられますか?

A. 3歳頃から検査が可能です。お子さまの症状に応じて検査項目を選択します。

Q5. 秋花粉に効く薬はありますか?市販薬で抑えても大丈夫ですか?

A. 一時的な緩和は可能ですが、市販薬の中には症状を悪化させる可能性があるものも含まれます。症状が長引く場合は専門医の診察を受けましょう。

 

まとめ

秋は花粉、ハウスダスト、寒暖差など、鼻の粘膜に刺激を与える要因が重なる季節です。
症状を放置せず、原因を正確に特定して治療を行うことが、快適な秋を過ごすための第一歩です。
横浜やまて耳鼻咽喉科では、アレルギー性鼻炎や寒暖差アレルギーなどの診断と治療を専門的に行っております。
横浜市付近で鼻の症状でお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。

参考サイト:

厚生労働省「アレルギーポータル」


この記事の監修者

山本 学慧(横浜やまて耳鼻咽喉科 院長)
2012年 横浜市立大学医学部医学科 卒業
2014年 横浜市立大学附属市民総合医療センター 耳鼻咽喉科
2015年 神奈川県立こども医療センター 耳鼻いんこう科
2016年 横浜市立みなと赤十字病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
2018年 横浜労災病院 耳鼻咽喉科
2020年 藤沢市民病院 耳鼻咽喉科
2021年 横浜市立みなと赤十字病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
2024年 横浜やまて耳鼻咽喉科 開院
・日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医
・日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 補聴器相談医
・補聴器適合判定医
・Infection Control Doctor
・難病指定医
・身体障害者福祉法第15条指定医
・緩和ケア講習会修了
・臨床研修指導医
・嚥下機能評価研修修了

https://yamate-ent.com/doctor.html

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