扁桃腺が腫れるのはなぜ?どのくらい痛くなったら受診すべき?【横浜の耳鼻咽喉科医が解説|日帰り手術対応】<院内質問箱へのお答え>
目次
患者さんからの質問(from スプラ好きです!!さん)
「扁桃腺が、腫れるのは、なぜですか?どのくらい、扁桃腺が、痛くなったら、来ればいいですか?」

外来でもとてもよくいただく質問です。
扁桃腺は正式には口蓋扁桃と呼びます。
体を守る役割があるため腫れることがあり、痛みや症状の強さによっては早めの受診が必要です。
以下で、順番にわかりやすく説明します。
扁桃腺とは?なぜ腫れるの?
扁桃腺は、のどの奥、左右にある組織です。正式には口蓋扁桃という名称になります。
というのも実は「扁桃」と言われる組織は複数あり、口蓋扁桃以外にも舌根扁桃・咽頭扁桃などがあります。
ただし、一般的に扁桃腺というと、口を開けた時にみえる、口蓋扁桃を指すことが多いです。

この記事では以下扁桃腺と略称します。
この扁桃腺はウイルスや細菌が体に入るのを防ぐ、免疫の最前線のような役割を担っています。
そのため、
- 風邪をひいたとき
- 細菌やウイルスがのどに入ったとき
に、戦うために腫れることがあります。
つまり、
扁桃腺が腫れる=異常とは限らず、防御反応の一つでもあります。
扁桃腺が腫れる主な原因
ウイルス感染(いわゆる風邪)
- のどの痛み
- 発熱(軽い〜中等度)
- 咳や鼻水を伴うことも多い
多くは自然に改善します。
細菌感染(急性扁桃炎)
- 強いのどの痛み
- 高熱
- 飲み込むと強く痛む
- 白い膿が付着することがある
抗菌薬による治療が必要になることがあります。
ここ最近では溶連菌性咽頭炎がはやることがあり、上記のような症状を訴える方が多いです。
扁桃炎が悪化して起こる扁桃周囲炎・扁桃周囲膿瘍
急性扁桃炎が進行すると、扁桃周囲炎になり、さらに悪化すると、扁桃腺の周囲に膿がたまる「扁桃周囲膿瘍」
これは、炎症が扁桃腺の外に広がった状態で、通常の扁桃炎よりも症状が強くなります。
扁桃周囲膿瘍でみられる症状
- のどの痛みが急に強くなる
- 片側だけ強い痛みが出る
- 口が開けにくくなる
- 声がこもる
- 唾や水分を飲み込みにくい
- 発熱が続く
これらがみられる場合、扁桃炎とは異なる対応が必要になります。
扁桃周囲膿瘍の治療について
扁桃周囲膿瘍では、抗菌薬による治療に加えて、
膿を出す処置(切開・排膿)が必要になることがあります。
当院では、状態を評価したうえで、日帰りでの切開・排膿手術に対応しています。
- 局所麻酔で行います
- 処置時間は比較的短時間です
- 処置後は自宅療養が可能なケースが多いです
※全身状態や炎症の程度によっては、
扁桃腺が痛いとき、どのくらいで受診すればいい?
次のような症状があれば、我慢せず受診してください。
- のどの痛みが2〜3日たっても改善しない
- 痛みがどんどん強くなる
- 38℃以上の発熱が続く
- 水分や食事がとりにくい
- 片側だけ強く痛む
- 首のリンパが腫れて痛い
「まだ我慢できるから大丈夫」よりも、
悪化する前に来ていただいた方が治りが早いことが多いです。
「扁桃腺がよく腫れる」のは体質?
- 子どもや若い方
- 繰り返し風邪をひく方
は、扁桃腺が反応しやすく、腫れやすい傾向があります。
ただし、
- 年に何度も強く腫れる
- 毎回高熱が出る
- 日常生活に支障が出る
場合は、習慣性扁桃炎と呼ばれる状態と考えられます。
市販薬で様子を見てもいい?
軽いのどの違和感程度であれば、
- のど飴
- 市販の鎮痛薬
で様子を見ることもあります。
ただし、症状が改善しない場合や悪化する場合は、
医療機関での評価が必要になります。
よくある質問(Q&A)
Q1. 扁桃腺が腫れていても、熱がなければ様子を見てよいですか?
A. 痛みが軽く、2〜3日で改善傾向があれば経過観察で問題ないことが多いです。改善しない場合は受診が必要です。
Q2. 片側だけ扁桃腺が強く痛むのはなぜですか?
A. 扁桃炎でも起こりますが、症状が強い場合は扁桃周囲膿瘍に進行している可能性があります。
Q3. 扁桃周囲膿瘍の排膿手術はその日にできますか?
A. 症状や全身状態を確認したうえで、当院では日帰りでの切開・排膿手術が可能です。
ただし、状態によっては入院治療が必要になる場合もあります。
Q4. 何度も扁桃炎を繰り返す場合はどうなりますか?
A.習慣性扁桃炎の診断がつく場合には手術にて摘出することの方がよい場合があります。詳しくは 医師にご相談ください。
まとめ
- 扁桃腺は免疫反応として腫れることがある
- 多くは2〜3日で改善する
- 改善しない場合や悪化する場合は受診が必要
- 扁桃炎が進行すると扁桃周囲膿瘍を起こすことがある
- 当院では扁桃周囲膿瘍の日帰り排膿手術に対応
「このくらいで行っていいのかな?」
と迷う段階での受診は、決して早すぎではありません。
のどの痛みや扁桃腺の腫れで気になることがあれば、
早めに耳鼻咽喉科へご相談ください。
この記事の監修者
2012年 横浜市立大学医学部医学科 卒業
2014年 横浜市立大学附属市民総合医療センター 耳鼻咽喉科
2015年 神奈川県立こども医療センター 耳鼻いんこう科
2016年 横浜市立みなと赤十字病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
2018年 横浜労災病院 耳鼻咽喉科
2020年 藤沢市民病院 耳鼻咽喉科
2021年 横浜市立みなと赤十字病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
2024年 横浜やまて耳鼻咽喉科 開院
・日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医
・日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 補聴器相談医
・補聴器適合判定医
・Infection Control Doctor
・難病指定医
・身体障害者福祉法第15条指定医
・緩和ケア講習会修了
・臨床研修指導医
・嚥下機能評価研修修了
https://yamate-ent.com/doctor.html
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